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中国の都市ではトイレが設置された喫茶店を見つけるのに難儀することがあっても、スマートフォンの充電スポットを探すのは比較的たやすい。写真は広州のスマートフォン充電用のシェアリングバッテリー。
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中国の都市ではトイレが設置された喫茶店を見つけるのに難儀することがあっても、スマートフォンの充電スポットを探すのは比較的たやすい。一方、日本では公共の電源利用が窃盗罪に問われるリスクがあるので要注意だ。
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ノマドワーカーであれ、会社員であれ、日本のカフェは中国のカフェより作業に集中しやすい環境が整っていると言ったら、それは偏見だと反論する声もあるかもしれない。しかし、それでも日本の静かな環境に感謝せざるを得ない瞬間は少なくない。大声での電話、イヤホンなしの動画再生、はたまた貧乏ゆすりや食べ物のそしゃく音――そんな騒音から解放された空間がいかに貴重か実感できることだろう。さらにトイレを拝借する自由度では大きな差がある。
一方で、ファストフード店などでも食後のごみの処理方法で日本と中国には深い溝がある。日本の店舗では客が自らごみを片付けるのが当然のマナーとされるが、中国では清掃スタッフがその役目を担っているのが一般的だ。この「役割分担」意識が客にも根付いている点は興味深い。しかし、清掃スタッフがなかなか来ないと、ごみで散らかったテーブルがそのまま放置されることになる。清掃員が来るまで待つか、自ら片付けるか、葛藤の時間が生まれるのだ。
もっとも、中国の飲食店の環境は日本よりも勝る点があることを忘れてはならない。QRコードを使ったスマートな注文方法や、長居しても店員から嫌な顔をされることが少ないのはその典型だ。日本の大都市にあるカフェでは「1時間以内」とか「最大2時間」の滞在制限が設けられることが少なくなく、時には「無慈悲」だと感じることもある。もちろん、中国でも、さすがにレストランで注文した料理が尽きても長時間ダラダラと居座るのは気が引けるものだが、カフェについてはデッドラインを気にせずに居られる心の余裕を持てるのは有り難い。
さらに、中国のカフェや飲食チェーンでは、店内に無料Wi-Fiや電源コンセントが設置されていることが多い。スマートフォン充電用のシェアリングバッテリーも利用が可能だ。電子デバイスのバッテリー残量が心許なくても安心して過ごせる環境があるのは大変重宝するポイントだといえる。
もちろん、日本でも空港や駅、ショッピングモールといった公共施設で充電設備を備えた場所が増えてきたといわれる。しかし、列車内や公共電話ボックスまで充電対応を施している中国のサービス精神とインフラの充実ぶりにはかなわない気がする。
ちなみに日本では公共の電源を使ってスマートフォンを充電する行為は「盗電行為」とみなされる。刑法第235条に基づき、窃盗罪として10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるというから厳しい。未遂でさえ罰せられる(第243条)のだから、「ちょっとだけ」のつもりでも油断は禁物だ。過去には共用コンセントから約2円50銭分の電気を自宅に引き込んだ男性が懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた事例もある。
それゆえ、公共トイレでウォッシュレットの電源をこっそり借りてスマートフォンを充電するのは、言語道断ということになる。いつでもどこでも充電設備に巡り会える中国の環境がいかに恵まれているかがよくわかるだろう。もっとも、この環境に無条件に感謝すべきか、それとも節度を保った公共資源との接し方について改めて考えるべきか、これもまた議論が尽きないテーマではある。(提供/邦人Navi)
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