シルバー経済という「新たなブルーオーシャン」、規模は140兆円―中国

人民網日本語版    2025年3月23日(日) 5時0分

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中国のシルバー経済の規模は約7兆元に達している。

シルバー観光列車「京鉄楽遊」の第1便が15日に発車し、12日間にわたる南北文化交流の旅が幕を開けた。「京鉄楽遊」は北京市・天津市・河北省と広東省・香港・マカオの連携によって運行される高齢者向けの観光列車だ。

シルバー観光列車が「シルバー経済」を加速させる。今年初め、商務部をはじめとする9当局は高齢者向け観光市場の発展をさらに促進し、高齢者の観光需要を満たすため、「シルバー観光列車の拡充によるサービス消費促進行動計画」を発表した。

今年の政府活動報告は「シルバー経済の発展に力を入れる」方針を打ち出した。今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)の「委員通路」で、ある政協委員は「2035年までに中国のシルバー経済は約30兆元(約円600億円)規模に達する見通しだ。控えめな見積もりでも、2050年までにシルバー経済は少なくとも1億人の雇用を創出できる」と述べた。

現在、中国のシルバー経済の規模は約7兆元(約140兆円)に達している。数字を通して将来を展望すると、シルバー経済というブルーオーシャンにはどれほど大きな将来性が広がっているのだろうか。

ニーズの変化が市場発展の「新たなチャンス」をもたらす

24年末時点で、中国の60歳以上の人口は総人口の22%を占める3億1000万人、65歳以上の人口は総人口の15.6%を占める2億2000万人に達している。高齢化の進行は、同時にシルバー経済発展の契機も秘めている。

ニーズを見ると、生活水準の向上に伴い、高齢者のニーズは衣食住や移動手段といった従来の消費にとどまらず、医療・ヘルスケア、文化・娯楽、高級ウェルネスといった「質の高い生活消費」がシルバー層の消費の重要な特徴となっている。これと同時に、高齢者の購買力と消費意欲も高まっている。

イノベーションが経済成長の「新たな原動力」を喚起

シルバー経済は広範囲にわたり、産業チェーンが長く、多様な業態を含んでおり、介護サービス、医療・ヘルスケア、文化・娯楽、金融サービスなど多くの分野に及んでいる。それだけでなく、人工知能(AI)や生命科学など科学技術のブレイクスルーと応用により、シルバー経済は内包・外延ともに拡大し続けている。

各分野で新技術、新業態、新モデルが次々と登場している。シルバー観光列車は文化観光の発展につながるだけでなく、沿線都市に雇用機会を創出する。高齢者向けロボットは、スケジュール・リマインダー、話し相手、レシピ検索、緊急コールなどの機能を実現し、ロボットの応用シーンが広がっていく。シニア向けネット通販は、より多くの高齢者がインターネットに触れる手助けをする。このように、市場の育成から産業チェーンの整備、消費の新たな成長分野から雇用の創出まで、シルバー経済は企業や市場にさらに大きな発展空間を提供し、経済発展を支える新たなポイントとなる。

各方面が力を合わせてシルバー経済の「新たなエコシステム」を構築

24年初め、国務院弁公庁は「シルバー経済の発展による高齢者福祉の向上に関する意見」を発表。シルバー経済の発展の方向性と目標を明確にし、具体的な実施方針や支援策を打ち出した。財政補助、税制優遇、工業団地の建設など、国や地方政府の打ち出した一連の政策措置は、シルバー経済の発展を力強く支えるものだ。

広州市では、シルバー経済関連企業が1万社を突破し、介護ベッドの75%、高齢者ケアサービス複合施設の100%、高齢者向け食堂の100%が社会の力が参加する形で提供され、シルバー経済のクラスター形成が促進されている。政府、企業、社会団体、家庭など各方面が力を合わせることで、持続可能なシルバー経済の「新たなエコシステム」が生まれ、市場の活力をさらに引き出されている。

シルバー経済の発展は「人への投資」の生き生きとした実践であり、経済発展と民生改善の「歩み寄り」を後押しするものでもある。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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