中国の科学研究者、小型ロボットを1万メートルの深海に投入

人民網日本語版    2025年3月24日(月) 20時30分

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中国の科学研究者が小型ロボットを1万メートルの深海に投入した。

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地球最深のマリアナ海溝の1万メートルの深淵における水圧は、1枚の爪に1トンのサイが乗るのに相当し、水温は氷点に近い。これまで、ここに到達できるものの多くは、重さが数トンに及ぶ硬式の大型潜水機だった。今や身長50センチメートル未満で体重がわずか1500グラムの小型ロボットがここを訪れ、深海探査により多くの可能性をもたらした。これに関連する研究成果は20日、国際的学術誌「Science Robotics」に掲載された。科技日報が伝えた。

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この1万メートルの深海でマルチモーダル運動を実現できる小型深海変形ロボットは、北京航空航天大学機械工学・自動化学院の研究チームが中国科学院深海科学・工学研究所、浙江大学と6年の歳月をかけて共同開発したものだ。研究チームはアカグツ科の運動モデルから着想を得て、遊泳、滑空、歩行が可能なマルチモーダルロボットを設計した。


「1万メートルの深海の水圧は小型ロボットにとって小さな氷山がのしかかるほどのものだ」。研究チームの責任者の文力(ウェン・リー)教授によると、深海の高圧において、柔軟性駆動材の弾性率の上昇は、駆動の振幅と速度の低下を招き、ロボットの動作性能を下げる。研究チームはこの課題を克服するため新しい深海駆動装置を開発した。双安定性状態を持つキラル超材料構造を利用し、二つの安定状態間の急速なスナップ動作により、効率的な駆動を実現した。さらに、この装置は深海高圧の柔軟性材料への悪影響を巧みにロボットの駆動性能の向上に変換。従来の柔軟性材料駆動装置の深海環境における性能低下の課題を克服した。

同チームは現在すでに「深海柔軟性ロボット+AI(人工知能)」の方向性に向けてさらに研究を進めているとともに、深海小型ロボットの航続能力と動作効率の引き上げに焦点を当て、より広範囲の深海探査・モニタリングを実現する。海洋資源開発、考古学調査、環境モニタリングなどにソリューションを提供する。チームのメンバーである北京航空航天大学機械工学・自動化学院の博士課程在学中の左宗灝(ズオ・ゾンハオ)氏は、「深海研究の魅力は未知の世界がもたらすチャレンジにある。毎回の潜水チャンスは非常に貴重だが、勇気をもって一歩踏み出せば深海にも光が差し込むのだと常に信じている」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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