拡大
台湾ではインバウンド業務を主力にする台湾の旅行会社が苦境に陥っている。民進党政権下で大陸からの客が減り、日本人客もコロナ前の水準に戻っていないことが大きな原因という。写真は台湾で撮影。
台湾メディアの聯合新聞網は30日付で、インバウンド業務を主力にする台湾の旅行会社が苦境と紹介する記事を発表した。記事は一例として、50年の歴史を持つ旅行会社の台湾昇漢旅行社(以下、「昇漢社」)が廃業に追い込まれた状況を紹介した。
台湾では、台湾人が海外に出かけて相手側に支払う金額よりも、海外からの旅行客が台湾側にもたらす収入より多い「旅行業の貿易赤字」が拡大しており、2024年には220億ドル(約3兆3000円)に達した。そのため、インバウンド業務を主力とする旅行会社は苦境に陥っている。1975年に設立された昇漢社はこのほど、4月末に営業を停止し6月には廃業手続きに着手することを発表した。同社は理由を、日本からの旅行者が新型コロナウイルス感染症発生以前の状態に回復せず、中国大陸との関係が不明瞭であることと説明した。
昇漢社はかつて、海外からの旅行者を年間10万人以上受け入れ、業界団体である旅行業品質保障協会による金質旅遊獎(金質観光賞)を連続して受賞した時期もあった。同賞はサービスの品質や業績を評価する、旅行業界で非常に権威のある賞だ。昇漢社の代表人である柯牧洲氏は台北市旅行公会の副理事長も務めており、昇漢社が事業継続を断念したことは業界に衝撃を与えた。
台湾のインバウンド旅行業界に大きな変化が生じたきっかけは、16年の蔡英文総統の就任だった。民進党政権の発足に伴い、大陸部からの観光客は漸減することになった。昇漢社はそこで、東南アジア各国からの観光客呼び入れに力を入れた。またコロナ前には日本からの団体客も比較的多く、経営を安定させ続けることができた。その後のコロナによる大打撃は避けられなかった。さらに、コロナ対策が緩和され海外からの訪台が容易になっても台湾を訪れる観光客の数は回復せず、経営はますます厳しい状況になった。
ある旅行業者はインバウンド業務について、08年から18年の10年間が黄金期だったと述べた。中国大陸部、日本、韓国、香港、マカオ、シンガポールなどからの観光客が多く、業界が活況だったので観光業に従事する人も多かった。しかし、コロナ後にも台湾のインバウンド観光市場は回復しなかった。団体旅行客も減り、市場の縮小は避けられなくなった。
台湾政府・交通部観光署は、日本からの観光客が回復しないことについて、円安が続いており日本人が旅行行動に慎重になっているとの見方を示した。観光署は日本人観光客の呼び込むために、クルーズ船や高級志向の旅行者、鉄道ファンなどのニッチな市場をターゲットに、客層別のマーケティングを行って増加を目指している。25年には前年の観光客数を基礎に「上積み」することが目標という。
昇漢社の柯牧洲氏は廃業を決断した心境について、「会社は50年続きました。最初は実に忍びなかった。でも、台湾の観光事業の環境が劣悪になっていることを目の前にして、まだ何とかなるうちに思い切って撤退することにしました」と語った。(翻訳・編集/如月隼人)
Record China
2025/3/29
Record China
2025/3/30
Record China
2025/3/29
Record China
2025/3/25
Record China
2025/3/23
Record Korea
2025/3/17
ピックアップ
この記事のコメントを見る