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シンガポール華字メディアの連合早報はこのほど、「中国系科学者の帰国ブームが再び起きている」とする記事を掲載した。写真は浙江省杭州市にある西湖大学。
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シンガポール華字メディアの連合早報はこのほど、「中国系科学者の帰国ブームが再び起きている」とする記事を掲載した。
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記事によると、3月以来、米プリンストン大学の物理学者、劉暢(リウ・チャン)氏、米オレゴン大学の数学教授、林華新(リン・ホアシン)氏、英ケンブリッジ大学の物理学者、貟国霖(ユン・グオリン)氏、米ガラス大手コーニングの光学研究者、占涵宇(ジャン・ハンユー)氏のトップレベルの科学者4人が相次いで中国に戻り新たな職に就いたことが明らかになり、中国系科学者の「帰国ブーム」が再び注目されている。
昨年来、海外から中国に戻ったトップレベルの科学者は、連合早報が把握しているだけでも17人に上る。「ナノ発電機の父」とも呼ばれる王中林(ワン・ジョンリン)氏や、中国系数学者の中で数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞受賞に最も近いと言われる孫崧(スン・ソン)氏ら、専門分野は数学と物理学が多数を占める。
これらの科学者が加わった機関には、北京大学、清華大学、浙江大学、中国科学技術大学などの名門大学だけでなく、近年新設された研究機関や大学も含まれる。
中国に戻ることを選択する科学者がますます増えていることについて、シンガポールの南洋理工大学公共政策・国際関係学部のディラン・ロー准教授は、「一つには、中国がトップクラスの科学者を集めるために、報酬や補助、研究室などの面でより魅力的インセンティブを導入していることがあり、もう一つは、中国系科学者が海外でターゲットとされていることへの危機感の高まりと関係している」と分析する。
第1次トランプ政権は、中国による経済スパイ活動や知的財産権盗用を取り締まる「チャイナイニシアチブ」を打ち出し、中国系科学者や中国と協力関係にある研究者への組織的な調査を行った。プリンストン大学現代中国センターの謝宇(シエ・ユー)教授らのまとめによると、チャイナイニシアチブが始まった2018年には1062人の研究者が米国の研究機関を離れて中国に戻り、その後の3年間に米国から中国に戻った中国系科学者は3878人に上った。チャイナイニシアチブは22年2月に終了したが、中国系研究者の間では萎縮効果が今も続いている。トランプ氏がホワイトハウスに復帰したことで、チャイナイニシアチブ再開への懸念が再び高まっている。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報元編集長で、著名論客の胡錫進(フー・シージン)氏はSNSへの投稿で、今回の帰国ブームは中国の科学界にとって「人材を招き集めるめったにないチャンス」であり、米国から帰国した英才を信任し、彼らが果敢に挑戦するための条件を整え、「帰国するという決断は正しかったと全員に感じさせなければならない」との考えを示した。
ロー氏によると、米国の科学研究エコシステムは依然として世界最高レベルであるため、中国系科学者の帰国ブームは短期的には米国に大きな影響を及ぼさないとみられるが、人材流出が続けば、米中の技術覇権競争に一定の影響が及ぶことは必至だ。(翻訳・編集/柳川)
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