独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ロシアで日本に桜を見に行こうとする人がビザ申請の行列を作っているとする記事を掲載した。

記事は、春の寒さが残るモスクワでは数百人ものロシア人が日本のビザを求めて列を作っていると紹介。欧州への旅行が困難となる中、日本はロシア人にとって新たな人気渡航先として注目を集めていると伝えた。

また、多くの国が直行便を取りやめているロシアでは観光客が乗継便を利用して日本を目指しており、ロシア旅行業協会によると、今年の日本への旅行者数は昨年の2倍に当たる約20万人に達すると見込みだとした。そして、日本旅行人気の背景として現在日本が桜のシーズンを迎えていることに言及。ビザ手続きの簡略化や制裁からの回復によるルーブル高に伴う航空券価格の相対的な下落も相まって、ロシア人の訪日意欲が高まっていると分析した。

ちなみに、中国での乗り継ぎを必須とするロシアから日本への往復航空券は約4万ルーブル（約7万2000円）からとなっているという。

記事は、日本に行くことを決めたロシアの市民から「以前は欧州に行きたかったけれど、今は難しい。日本のビザはすぐに取れるので日本を選んだ」「お金がたまり、価格も下がったので子どもの頃からの夢だった日本に行くことにした」といったコメントを紹介。一方で、日本大使館前にできるビザ申請の行列が課題となっていることも指摘し、列に並んでいた市民が「今日がダメなら、明日また来る」と日本旅行に対する強い意欲を示したことを伝えた。（編集・翻訳/川尻）