<サッカー>日本の帰化政策は成功、中国とどこが違う?―中国メディア

Record China    2025年4月6日(日) 8時0分

拡大

中国のスポーツメディア・直播吧にこのほど、「日本サッカーの帰化記録:東アジア社会はどのようにサッカーの帰化を成功させるか?」と題する文章が掲載された。

中国のスポーツメディア・直播吧にこのほど、「日本サッカーの帰化記録:東アジア社会はどのようにサッカーの帰化を成功させるか?」と題する文章が掲載された。文章では日本の帰化政策の成功と中国の失敗、そこから得られるヒントについて論じられている。

文章は、「2018年に中国サッカー協会が正式に帰化政策を導入して以来、この政策をめぐる議論が絶えず巻き起こっている。帰化政策は正しいのか誤りなのか、メリットが大きいのかデメリットが大きいのかについてさまざまな意見が飛び交い、一概には判断しがたい状況だ」とする一方、「世界のサッカー界全体の視点から見ると、実際には帰化はすでに主流の手段となっている。10年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会では23チームが計145人の移民選手を起用しており、むしろ帰化を行わない国のほうが少数だ」と指摘した。

その上で、「成功した政策はいずれもその地域の特性と結びついており、世界中で一律に適用できるものではない。帰化政策についても同様である。世界的に見ると、西欧諸国と東アジアの日本とではその戦略やスタイルが大きく異なっている。西欧諸国は古くからサッカー強国であり、継続的な帰化選手の導入によってその地位を一層盤石なものとしてきた。一方、日本はサッカー後発国であり、かつては実力が低かったが、成功した帰化政策を通じて代表チームの成績を大幅に向上させた」とした。

また、「欧州では帰化政策の導入が早く、すでに成熟した産業チェーンが形成されている。欧州における帰化は、主に旧植民地出身者や大量の外国系住民に依存しており、さらに二重国籍制度がその裏付けとなっている。しかし、これら三つの条件は、日本を含む東アジア社会には当てはまらない」と言及。「それにもかかわらず、日本は帰化政策を成功させた。日本サッカー協会は帰化選手の範囲と規模を管理可能なレベルに設定し、そのメリットを最大限に活かしながらデメリットを最小限に抑えた。これにより、欧州諸国で発生するような文化的な対立もほとんど生じなかった。こうした点から、日本の帰化戦略は非常に参考に値する」と述べた。

そして、「日本の帰化選手は中国と似ており、大きく『血縁帰化』と『非血縁帰化』の二つに分けられる。血縁帰化に関しては中国とほぼ同じだが、非血縁帰化については、日本は独自の政策を採用しており、中国とは大きく異なる。この点こそ、私たちが注目し、研究すべきポイントである。日本の非血縁帰化には二つの特徴的な側面がある。第1に、文化的アイデンティティーを強く重視していること。第2に、極めて革新的なユース育成型の帰化制度を採用していることである」とした。

文章はまず、文化的アイデンティティーについて、「日本のサッカー帰化政策は、単に選手の実力だけを重視するのではなく、日本の文化に適応できるかどうかを最優先する。これにより、帰化選手を単なる『傭兵』にすることなく、日本社会に溶け込める選手を迎え入れる」とし、その代表例としてラモス瑠偉氏や呂比須ワグナー氏を挙げた。そして、「日本は『文化的同化』を重視する帰化政策を採用し、単なる戦力補強ではなく、選手の長期的な社会適応を促している。ラモス氏や呂比須氏は自らを日本人と認識しており、このような方針こそが日本の帰化政策成功の鍵となっている」と論じた。

次に、ユース育成型の帰化について、「スペインのアルカンタラやイタリアのジョルジーニョのように、若い頃にブラジルから欧州へ移り、現地の育成システムでプロ選手になったケースと同様の流れだ」とし、16歳の時に日本に留学し、その後日本国籍を取得した三都主アレサンドロ氏に言及。「彼は完全に日本のサッカーシステム内で成長した選手で、他の帰化選手よりも早く日本社会に溶け込み、和食を好み、日本で家庭を持った。彼のようなユース育成型の帰化は中国サッカー界ではまだ見られない形であり、日本のサッカー関係者の長期的な視野と育成システムの発展を象徴している」と述べた。

さらに、「日本は中国と類似した社会構造を持ちながら、極めて成功した帰化政策を実施してきた」とし、上記の日本の帰化選手らについて「いずれも高額な費用を要さなかったが、日本サッカーの発展に決定的な役割を果たした」と指摘。一方で、「中国もアロイージオ、エウケソン、アランらを帰化させたが多額の資金が投入された上、現在では引退もしくは復帰の見込みがないなど、実質的な成果が得られなかった」とし、日本の帰化政策は少なくとも三つのヒントを中国に与えているとした。

第1に「帰化の条件は代表チームの成績を明確に向上させること」だとし、「日本でも帰化政策を導入した初期には反対の声が多かったが、20年以上にわたる成功を受け、現在では反対の声はほとんどなくなった」とした。第2に「帰化選手の中国文化に対する認識」だとし、「文化認識が低かったり、プロとしての資質が不足したりしている選手は、たとえプレーにおける能力が高くても帰化させるべきではない。帰化選手の文化認識には2つの利点がある。1つは代表チームへの忠誠心が強く起用する側も信頼できること、もう1つはファンから歓迎されること」とした。第3に「ユース育成型の帰化システムの導入」で、「これは現在の中国のサッカークラブにも取り入れる価値がある試みだ。比較的少ない初期投資で文化認識が高い帰化選手を獲得することができるため、非常にコストパフォーマンスの良い方法だ」と論じた。

文章は、「ヨハン・クライフ氏は『サッカーとはシンプルなスポーツだ』と言ったが、実際には非常に複雑であり、スポーツでありながら社会学や経済学などとも密接に関連している。サッカーに関する大きな問題に取り組む際には慎重さも必要だ」とし、「日本はサッカーの後発国として、欧州やブラジルの経験を大いに参考にし、自国の状況に合った方法を取り入れて独自の発展の道を見つけた。私たちは日本よりもさらに後発であり、他国の成功の秘訣を慎重に学ぶ必要がある。そして、自国に合った発展の道を見つけ、着実に進んでいくべきだ」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携