10年超えれば長寿?SkypeとAmazonアプリストアが終了カウントダウン

邦人Navi    2025年4月5日(土) 23時0分

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SkypeとAmazonアプリストアは短命なプロダクトが乱立するデジタル市場において異例の長寿を誇ったが、いよいよ終幕に向けてカウントダウンを始めた。写真はSkype。

2003年に登場したSkype(スカイプ)、2011年にスタートしたAmazonアプリストア。短命なプロダクトが乱立するデジタル市場において異例の長寿を誇った両者だったが、いよいよ終幕に向けてカウントダウンを始めた。

10年超えの長寿アプリ

アプリの平均寿命は決して長いものではない。流行しては人知れず消えていくものもある。そうした中で、SkypeとAmazonアプリストアは10年を超える長寿アプリとして存在感を見せた。

Skypeは国際電話という高コスト通信の常識を打ち破り、音声通話のIP化(VoIP)という構造転換を象徴するツールとして脚光を浴びた。eBayを経てマイクロソフトに買収された後も、法人利用や教育分野で一定の地位を保ってきたが、マイクロソフトはTeamsへの機能統合を理由に5月5日をもってサービスを終了する。

Amazonアプリストアは、Google PlayやアップルのApp Storeに対抗する第三の選択肢として一定のシェアを築いてきたがアンドロイド向けのサポートはFireタブレットを除き8月20日をもって終了する予定だ。

一部のユーザーには負担も

Skype終了に伴い、ユーザーにはMicrosoft Teamsへの移行が促されている。ログイン方法の共通化やUIの整合性は混乱回避の上で有効だろう。だが、Teamsが要求するMicrosoft 365のような統合環境に適応できないユーザーにとって、これは機能的断絶となるかもしれない。

また、Amazonアプリストアの場合、Google Playが使えない端末では、代替策としてAPKPureやAurora Storeなどの非公式マーケットが浮上する。ただし、これらのツールの信頼性は保証されておらず、安全性の担保はユーザー自身の責任に委ねられている面がある。かつてAmazonが提供していた「正規で安心なサードマーケット」という制度的ポジションの消失は大きい。

世代交代以上のインパクトも

中国在住の日本人にとって、Skypeは一時期、数少ない海外と接続する手段だった。微信(WeChat)やDingTalkなどの国内ツールが主流になった今も、Skypeを使い続けていた層は少なからず存在していた。

今回の終了は、そうした「慣れに支えられた通信インフラ」の終焉を意味する。かつて国際的な接続コストを大きく引き下げたSkypeの登場は、情報とコミュニケーションの構造そのものを変えた。その役割を担ってきた先駆者というべきツールが退場することは、単なる技術交代以上の意味を持ちそうだ。

代替可能な構造を持つインフラ環境を

技術とは常に過渡的だ。どれほどのシェアを獲得し、どれほどユーザーに浸透していても、それが新しい構造に組み込まれなければ淘汰される。それは市場の自然淘汰ではなく、想定された変化であることが多い。

SkypeとAmazonアプリストアは時代の需要に応じて生まれ、大きな存在感を見せてきたが、今や別のスキームが支配的になろうとしている。重要なのは「代替アプリ」を探すことではなく、代替可能なITインフラにスムーズに移行できる環境を日頃から構築しておく心得といえそうだ。(提供/邦人Navi)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

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