AIで「復活」した歴史上の人物、中国人の心をつかむ―中国メディア

人民網日本語版    2025年4月5日(土) 5時0分

拡大

中国のソーシャルメディアで「私の質問に、歴史上の人物に答えてもらう」というチャレンジが流行している。

中国のソーシャルメディアで「私の質問に、歴史上の人物に答えてもらう」というチャレンジが流行している。AIアプリによる二次創作を経て、李白杜甫、顔真卿、李時珍といった中国の有名な歴史上の人物が次々と「復活」し、やや大げさな表情や心をつかむ言葉で疑問に答え、現代の中国人の心をつかんでいる。中国新聞網が伝えた。

北宋の政治家、文人の蘇軾が「役人は非難されてばかり」とため息をつき、明代の医師・李時珍がオンラインで健康やライフスタイルに関する質問に答え、唐代の詩人・李白が「酒に酔っぱらって狂ったように歌うだけの人」という非難にカメラ目線で反論したりと、厳かなイメージの歴史上の人物、単調でややとっつきにくい文化や知識が、一瞬でユーモラスで親しみやすいものに変わり、人々の頭にだけでなく、心にまで入り込むようになっている。

AIを使って復活させた歴史上の人物は学校の授業でも採用され始めている。山東省済南市の莱蕪区花園学校文昌キャンパスの国語教師・王聡(ワン・ツォン)さんは、「1年生の生徒に李白の漢詩『静夜思』を暗記してもらう時、AIで生成した李白のバーチャルキャラクターを使っている。生徒がキャラクターと対話することで、詩の世界に入り込んだような気分に浸ることができる。このように楽しみながら勉強ができるスタイルは、歴史上の人物との距離が縮まると、低学年の生徒に好評だ」と話す。

山東師範大学文学院でドクターコースの指導教官を務める李輝(リー・フイ)教授は、「AIを使って歴史上の人物を復活させることでインパクトがもたらされるのは、新しい技術に対する驚きだけでなく、現代の人々が歴史を肌で感じ、文化の奥深さを知ることができるためでもある。多くの人が心の奥底から共感を覚えることができている」との見方を示す。

そして、「AIは教育を『再編』し、学習が標準化からカスタマイズへ、『受動型』から『能動的模索』へと変わっている。学生は知識を記憶しやすくなっているほか、歴史に興味を持ち、じっくり考えることができるようになっている」と話す。

技術が進歩すると、懸念も生じる。例えば、「AIが生成する歴史上の人物のイメージやストーリーは真実と一致しているのだろうか?インターネットサーフィン型のスタイルになり、奥深さのない娯楽になってしまうことはないのだろうか?」といった懸念だ。

これに対して李教授は、「技術が文化に益を及ぼすようにしなければならず、文化が技術の付属品になってはならない。AIを使って歴史上の人物を復活させる最大の意義はより奥深い文化や思想、精神を伝えることにある。新技術は文化伝播のツールとなるものの、主導する側になってはならない。新技術によって作り出されるもののコアは、シリアスな学術研究をベースとしなければならない。でなければ、一発屋の娯楽となってしまう」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携