拡大
中国で都市別消費の勢力図が塗り替えられつつある。写真は重慶。
2025年序盤、中国の消費市場に大きな地殻変動が生じた。長年、社会消費品小売総額で全国首位を守ってきた上海が重慶にその座を明け渡したのだ。都市別消費の勢力図が今まさに塗り替えられつつある。
社会消費品小売総額で全国首位の座を長年維持してきた上海が25年序盤(1~2月)にその座を明け渡した。新たな「消費王者」として浮上したのは、内陸の巨大都市・重慶だ。
国家統計局と各地の統計部門が発表した25年1~2月のデータによると、重慶の小売総額は2831億8300万元に達し、前年比で3.3%の増加を記録。一方、上海は2777億4000万元にとどまり、前年比で1.0%の減少となった。
この変化は一過性のものではなく、都市の消費構造や地域経済の地殻変動を映す現象だ。重慶の成長をけん引したのは、文化・オフィス用品(30.6%増)、通信機器(29.7%増)、煙草・酒類(10.6%増)といった耐久性や嗜好性の高い商品群だ。
さらに、都市部の小売売上高が3.1%増にとどまったのに対し、農村部は4.2%増と、地方消費の力強さが際立つ。これは内陸部の消費力が都市部に匹敵しつつあることを示唆している。
一方、上海の消費が減速した背景には、耐久財や非生活必需品の販売不振があるとされる。所得水準は高いものの、若年層の節約志向や高所得層の海外消費への傾斜が影響している可能性がある。成熟市場ゆえの限界も浮き彫りになりつつある。
このほか、複数の要因により広州の成長率が鈍化し、順位を4位に下げた一方で、地級市である蘇州の躍進が注目される。同市の24年の社会消費品小売総額は1兆元を超え、前年と比較して4.8%の増加を示した。
なお、25年1~2月時点で中国全土の都市別小売総額トップ10は重慶、上海、北京、広州、成都、深セン、蘇州、南京、武漢、杭州の順となっている。消費地図の塗り替えは今後も進行していくとみられている。都市の人口規模や歴史的な背景だけでは語れない、経済の新たな重心が形成されつつある。(提供/邦人Navi)
Record China
2024/12/23
Record China
2024/12/19
Record China
2024/12/3
Record Korea
2025/3/29
邦人Navi
2025/3/16
Record Korea
2025/2/6
ピックアップ
この記事のコメントを見る