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6日、観察者網は日本が建設支援を行うインド初の高速鉄道について、すでに10年が経過したにもかかわらず開通の見通しが立っていないことを報じた。
2025年4月6日、中国メディアの観察者網は日本が建設支援を行うインド初の高速鉄道について、すでに10年が経過したにもかかわらず開通の見通しが立っていないことを報じた。
記事は、日本が支援するインド初の新幹線計画が発表されてから今年で10年が経過するものの、当初予定していた23年開業が実現できなかった上、現地の建設状況はいまだ全線着工にも至っていないと紹介。中国が支援するインドネシアの高速鉄道が23年に開通したのと痛烈に対比する形で、インドの新幹線プロジェクトが遅々として進まないことを伝えた。
そして、インドの新幹線計画は西部の商都ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ約500キロの区間を結ぶもので、安倍晋三元首相が15年に訪印した際に正式合意に至ったと解説。日本は中国との激しい受注競争を制してこの事業を手に入れ、円借款を通じて多額の資金支援と技術協力を行っているにもかかわらず、進捗に遅れが見られると紹介した。
また、計画の進捗が遅れている最大の要因は、土地の所有権が複雑に絡み合うインド国内での土地収用の難航にあると解説。農民や地域住民との交渉が一筋縄ではいかない上、行政手続きの煩雑さも工事の遅延を招いているとした。モディ政権はプロジェクトの重要性を繰り返し強調しているが、地方政府との連携不足や透明性の低い手続きが事業進行の足かせになっているとも指摘した。
さらに、資材価格の高騰やルピー安といった経済的な変動も影を落としており、事業費の膨張リスクが指摘される中、日本側は追加支援の判断に慎重な姿勢を見せていると紹介。現地メディアは28年までの一部開業を目指すと報じているものの、明確なスケジュールが依然として立てられない状況だと伝えた。
記事はその上で、当初は日本の東北新幹線で使用されているE5系車両の導入が予定されていたものの、最近になって、JR東日本が開発を進めている次世代型のE10系を導入する案が浮上したと紹介。理由について、プロジェクトの遅れが結果的にE10系の実用化時期と重なること、そして最新技術を搭載した車両の方がインドの長期的なインフラ整備の象徴となり得ることを挙げた。
記事は、インドネシアをはじめとして中国の支援によって建設された高速鉄道が続々開通する中、遅々として工事が進まないインドの新幹線は実用性よりも「日本とインドの友情の象徴」という政治的な意味合いばかりが先行しており、実現性に対する疑問符は拭えないと指摘。今後の開業見通しや使用車両の選定は、両国の協力関係だけでなく、日本のインフラ輸出戦略の成否を占う重要な指標となりそうだと結んだ。(編集・翻訳/川尻)
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