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中国の科学者が金属の安定性での「不可能な三角形」の難題を解決しました。
中国科学院金属研究所瀋陽材料科学国家研究センターの盧磊研究員が率いる研究チームはこのほど、材料分野に関する研究で重要な進展を遂げました。チームは斬新な金属の構造設計アイディアを発案し、金属材料が高強度、高塑性を維持すると同時に、繰り返し耐クリープ性(金属に高温状態で力をかけることを繰り返した場合に、永久変形しにくい性質)を大幅に向上させることに成功しました。この研究成果を示す論文は、4日付けの国際学術誌「サイエンス」に掲載されました。
金属の世界には、強度、塑性、使用中の安定性という「不可能な三角形」と呼ばれる状況が存在します。これら3つの特性は同時に解決することが難しく、金属材料の疲労損傷に伴う機能喪失は、実用における安全性に深刻な脅威をもたらします。
中国の研究チームは、金属の往復ひねりを精密に制御することによって、金属材料の内部に空間的な勾配構造を形成しました。このミクロン以下の大きさの3次元構造は無数の「衝突防止の壁」のような役割を果たし、外部から力が加えられた場合、バネのように変形してエネルギーを吸収しながら、原子レベルの自律的反応を誘発し、より細かな二次防護ネットワークを自動的に形成します。チームが新たに開発した304オーステナイト型ステンレス鋼は従来の材料と比べ、強度が3.6倍に増加し、循環クリープ性は4桁も向上しました。しかも強化プロセスは均一に発生し、局所的な変形により破損が引き起こされることもありません。加工後の金属材料は、元の材料と外見上の違いはほとんどありません。
盧研究員によると、今回の研究成果は、金属材料に自己強化ナノダンパーを装着したかのようなもので、金属材料の強度、塑性、安定性を同時に得るという世界的な難題が解決できました。宇宙飛行や大型インフラ施設などの分野における実用面での安全確保に斬新な解決案を提供し、合金材料の中で幅広い応用の潜在力があると見込まれるとのことです。(提供/CRI)
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