「中国+1」の恩恵受けた東南アジア、今度は高い関税で苦境に―中国メディア

Record ASEAN    2025年4月9日(水) 5時0分

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8日、環球時報は、米国政府が東南アジア諸国に高い関税を掛けることで、国際企業による東南アジア投資が岐路を迎えると報じた。写真はベトナムのノイバイ国際空港。

2025年4月8日、環球時報は、米国政府が東南アジア諸国に高い関税を掛けることで、国際企業による東南アジア投資が岐路を迎えると報じた。

記事は、トランプ米大統領が2日、「相互関税」に関する大統領令に署名し、ベトナムに46%、タイに36%、インドネシアに32%、マレーシアに24%など東南アジア諸国に高い税率の関税が掛けられることになったと紹介。一部のアナリストからはカンボジアとベトナムの衣料品や繊維製品が打撃を受けると予測が出ていることを伝えた。

そして、ベトナムについて、第1次トランプ政権時代に製造業移転投資先として脚光を浴び、ナイキ、アディダス、プーマなどの大手ブランドが安価な労働力を得るために一部の生産ラインを移転したと解説。24年の繊維・アパレル輸出額は440億ドルに達し、米国が最大の輸出先になっていると紹介した。

その上で、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国への相互関税は「予想以上に広範な影響を与える」との見方も出ていると指摘。これまで米国政府が生産拠点を中国周辺地域に分散させる「チャイナ・プラス・ワン」戦略を進めてきたことで、多くの多国籍企業が中国に集中していた生産拠点を分散させていることがその背景にあり、ベトナムだけでなくタイやマレーシアに生産拠点を構える国際企業から「今度私たちはどこへ引っ越したらいいのか教えてほしい」といった悲鳴が聞かれると伝えた。

記事によると、グーグルやHP、デルのサプライヤーからは「米国がベトナムへの関税を引き下げない限り、どの企業もベトナムへの投資を継続することはないだろう」「ベトナムやインドではなく、中国でより多くの製品を生産する方がましだ」といった声もでているという。また、シンガポールのシンクタンクISEASユソフ・イシャク研究所のジャヤント・メノン氏が「米国の貿易政策の不確実性と不安定さにより、各国は中国ではなく米国のリスク回避を検討している」と評した。

記事は、米国による高い関税が東南アジア諸国の経済見通しに暗い影を落としており、経済アナリストが一部の国の成長予測を下方修正しはじめていると指摘。中国対外経済貿易大学の藍慶新(ラン・チンシン)教授が「東南アジア諸国における多国籍企業の生産製造は付加価値が低く、輸出関税の引き上げに伴う輸出の低迷は失業につながる」との見方を示したことを伝えた。

また、特に影響の大きいベトナムでは関税発効前から多くの企業が投資を延期する動きを見せたことで今年1〜3月の経済成長がすでに鈍化しており、最悪の場合年間成長率が3ポイントほど下がるとの予測も出ていると紹介。マレーシアのアンワル首相も「24%の関税が課せられれば経済成長目標の見直しが必要」と述べ、タイのべートンタン首相も電子製品や加工食品、農産物の輸出に大きな影響が出るとコメントしたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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