構造的苦境にあえぐ日本経済、正念場を迎える安倍政権―中国メディア

Record China    2014年10月30日(木) 7時50分

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29日、日本経済の下ぶれリスクが顕在化していることにより、日本の学者が最も話題にする用語が「回復」から「衰退」へと変わった。最近発表されたデータをみると、日本経済は安倍晋三首相の2回目の登板以降で、最も厳しい寒波を迎えていることがわかる。資料写真。

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2014年10月29日、日本経済の下ぶれリスクが顕在化していることにより、日本の学者が最もよく話題にする用語が「回復」から「衰退」へと変わった。最近発表された一連のデータをみると、日本経済は安倍晋三首相の2回目の登板以降で、最も厳しい寒波を迎えていることがわかる。今年第2四半期(4-6月)の国内総生産(GDP)は前年同期比7.1%減少し、5年ぶりに下げ幅の記録を更新した。上半期の貿易赤字は5兆4300億円で、1979年以来最悪の数字となった。国内の消費需要は依然として縮小傾向にあり、貿易の不調をひっくり返すことは難しい。

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安倍政権がうち出した経済政策「アベノミクス」に対する疑問の声がますます大きくなっている。日本メディアが最近発表した最新の世論調査の結果によると、日本国民の84%以上が安倍政権の経済政策は経済を活性化させていないと考えている。

日本のGDPは主に内需で構成されており、輸出と関連産業が占める割合は20%にとどまる。よって経済成長を牽引する場合、国内消費と投資が主なよりどころになる。13年にアベノミクスがうち出されると、量的緩和政策や積極的な財政政策によって、富裕層の消費と公共投資が増加し、日本経済は好転しているようにみえ、政府は経済見通しを「緩やかに回復」から「回復」へと引き上げた。だが今年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられると、立ち上がり始めたばかりの日本経済はダブルパンチをくらうことになった。引き上げの狙いは、深刻な財政赤字を改善し、社会保障を強化し、日本経済が長期的な低迷から抜け出すことを後押しすることにあったが、実際には貧富の差が一層拡大し、内需は激減し、日本経済は「弱体化」から現在の「潜在的な折り返し点」(衰退の始まり)へと移ることになった。安倍政権は来年にも消費税率の再度引き上げを計画しているが、目下の深刻な経済情勢により、計画の実施はしばらく見合わせざるを得ないといえる。

現在、日本経済は構造的な苦境に深く陥っており、構造改革の歩みを加速させることは難しい。高齢化少子化が日本社会の病であり、労働力の不足を招き、社会保障コストを増大させ、イノベーション能力を低下させるなど一連の問題を引き起こしている。量的緩和政策と積極的財政政策だけで「経済情勢を逆転させて回復に向かわせる」ことは難しい。9月初旬、安倍首相は自民党三役の交代と内閣改造を行い、「地方創生大臣」のポストを新設し、地方経済の活力を喚起し、労働力不足の問題に対処しようとした。だが、こうした措置は選挙の票集めの要素が強い。日本はほかにも多くの課題に直面しており、産業の「空洞化」が背景としてある中、法人税率を引き下げても、企業投資の回流を促進するとは限らない。福島の原子力発電所の事故による汚染のイメージが消えない間は、高級農産物を有力な輸出産業に育てることは難しい。財政赤字が高止まりする中、保育園の増設などによって雇用を促進しようとしても、予算の制限にぶつかる…など、問題ばかりが浮かんでくる。

短期的にみれば、財政活性化策が「命綱」になる可能性がある。日本政府は2014年度予算の中で経済再建とデフレ脱却のために72兆6000億円を計上し、大部分を下半期に使用するとした。だが長期的にみれば日本が構造的な苦境を脱するには長い時間がかかるといえる。深いレベルで改革を進め、競争と技術革新を促進し、潜在的な成長率を引き上げなければ、安倍政権は根本のところから日本経済を救うことはできない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/kojima)

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