2014年11月4日、韓国は、中国人観光客が最も訪れたいと思っている海外旅行先のひとつであり、韓国を訪れる中国人観光客は、ここ数年急激に増加している。願ってもないビジネスチャンスが訪れた韓国の商業施設は、中国人観光客向けの商品を競うように売り出している。表面的には好ましい状況のようだが、その水面下では、良からぬ流れが渦巻いている。中国人観光客の騒々しさに業を煮やし、中国人観光客をシャットアウトする商業施設が増え始めているのだ。韓国紙・亜洲経済（中国語版）の報道を引用して中国新聞網が伝えた。

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▼中国人観光客に対する韓国人の印象：とにかく「騒がしい」

統計データによると、2013年に海外から韓国を訪れた観光客は延べ1217万人に達した。このうち中国人観光客は、全体の35％にあたる延べ392万人、中国人が初めて日本人を追い抜き、訪韓外国人観光客のトップに立った。韓国観光発展局は、今年の年末の時点で、韓国を訪れる中国人観光客は延べ600万人に達すると予想している。一方、日本人観光客は、国内の景気低迷の影響を受け、延べ240万人にとどまる見通し。中国人観光客は、晴れて訪韓外国人チャンピオンの座に輝いたが、それと同時に、不協和音も大きくなりつつある。

旅行予約サイトの世界最大手エクスペディアはこのほど、韓国の会社員1000人を対象に、「外国人観光客に対する印象」に関するオンライン調査を実施した。その結果、中国人観光客に対して「好ましくない印象」を持っている人は、回答者全体の37．9％を占め、欧米からの観光客（1．9％）より19倍も多かった。この割合は、東南アジア諸国の観光客が15．2％、日本人観光客が13％だった。

中国人観光客に対して良い印象を持っていないと答えた韓国の会社員が、その理由として挙げたのは、「騒がしく、あたり構わず喫煙し、ゴミを捨てる」が72％で最も多かった。そのあとには、「中国人観光客の増加によって中国資本が入り込んでくる（17．9％）」「観光地が混雑し、交通渋滞が起こる（5．2％）」「韓国観光業が中国市場に過度に依存する恐れがある（3．1％）」が続いた。

一方、韓国文化体育観光部が外国人観光客を対象に実施した「外国人観光客の現地調査」の結果によると、「韓国人は親切」という印象を抱いた中国人観光客の割合は45．2％と、米国人観光客（73．4％）、マレーシア人（54．8％）、シンガポール人（52．9％）に比べ、大幅に低かった。

▼中国人観光客に対する偏見の改善が急務

韓国を訪れる中国人観光客の数は、2020年には1000万人の大台を突破する見通しだ。韓国現代経済研究院は、「訪韓中国人観光客が延べ1000万人に達した場合、韓国に68兆4000億ウォン（約7兆1900億円）の経済波及効果がもたらされ、89万8000人の雇用が創出される」と分析している。

韓国が受け入れる中国人観光客の数が1000万人に迫る状況で、早急に改善を要する問題が山積みだ。中国人観光客を対象に2013年に実施された「海外旅行満足度調査」によると、韓国に対する満足度は4．11ポイント（5ポイント満点）にとどまり、調査対象となった16カ国中、最下位から2番目だった。「今後3年以内に再び韓国に旅行する計画がある」と答えた人も、3．95ポイントと16カ国中最下位だった。

ある旅行社の担当者は、「確かに、騒ぎたてる、あるいはすぐにゴミをポイ捨てする中国人は一部にいるが、このような枝葉末節の行為にいちいち目くじらを立てていれば、小事にとらわれ過ぎて大事をしくじってしまうだろう。今、最も大切なことは、中国人観光客に対する韓国国民の偏見を変えることであり、真心と気配りを尽くしたショッピング環境を彼らのために整えることだ」と指摘した。

今回の調査で、今後の改善点として、「中国人観光客に対する偏見を改めるべき」が全体の54．2％を占め、「不法営業の店舗を取締り、減らすべき（34．7％）」「言語上の障害を取り除くべき（14．5％）」が続いた。（提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/kojima）