韓国、オーストラリアとFTA交渉が相次いで実質的妥結、消費者にも大きな利益―中国

Record China    2014年11月22日(土) 15時37分

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18日、中国の習近平国家主席はこのほど訪問先のオーストラリアで、同国のアボット首相と共に、中国・オーストラリアの自由貿易協定(FTA)交渉が実質的に妥結したことを発表した。写真はオーストラリア・シドニー。

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2014年11月18日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はこのほど訪問先のオーストラリアで、同国のアボット首相と共に、中国・オーストラリアの自由貿易協定(FTA)交渉が実質的に妥結したことを発表した。中韓両国もこのほどFTA交渉の実質的妥結を宣言したばかりだ。これで中国は短期間内に、アジア太平洋地域の2つの重要なエコノミーとのFTA交渉をほぼ終えたことになる。中国のFTA構築は今、大きな進展を迎えつつある。王受文(ワン・ショウウェン)部長補佐は17日に記者会見を開き、国内外のメディアに対してFTAの関連状況を説明した。人民日報海外版が伝えた。

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▽中豪FTA:消費者に大きな利益

王部長補佐は、「中豪FTAは、中国が大型先進国と締結した初のFTAとなった。中豪双方の産業には、相互補完が可能な部分が多い。FTA締結は、両国の経済貿易関係の深化にとって非常に重要な意義を持つ」とした。

中豪FTAは来年発効の予定で、発効から5年以内に、オーストラリアは中国からの輸入品への関税を100%撤廃する。双方は投資分野でも互いに最恵国待遇を与える。オーストラリアで600億ドル(約7兆円)の投資を行っている中国にとって、FTAが発効すれば、オーストラリアの中国企業への審査も緩和されることになり、双方の投資便利化がより一層進むこととなる。

中国の一般消費者にとっても、人気のオーストラリア乳製品、牛肉、魚介類、ウールといった商品がFTA効果で値下げされることとなる。食品を例にとると、オーストラリアの乳製品の関税が9年間をかけて徐々に撤廃され、乳幼児用粉ミルクの関税(15%)は4年以内に撤廃される。羊肉の関税(23%)、牛肉の関税(12-25%)も9年以内に撤廃される。また、オーストラリアから中国に輸出される石炭、銅、ニッケルといった鉱物資源の関税も削減・撤廃される。

一方で、中国からオーストラリアに輸出される電子機器製品、工業製品も今後数年以内にゼロ関税時代を迎えることになり、中国の輸出を後押しする。

また、中国人民銀行(中央銀行)とオーストラリア準備銀行(中央銀行)は、オーストラリアでの人民元の公式決済銀行の認可に関する協力覚書を締結し、人民元適格海外機関投資家(QFII)の試行地域をオーストラリアに拡大することで合意した。初期の投資枠は500億元(約9600億円)に達するという。

▽中韓FTA:早くて来年下半期に発効へ

王部長補佐は中韓FTAについて、「我々は今後、韓国側といくつかの技術的な問題について協議を行い、年内にFTAの全ての交渉を終わらせるよう努力する。全て順調に行けば、来年上半期に本調印を行い、下半期に発効する見込みだ」とした。

中国は世界最大の貨物貿易国であり、韓国は9位だ。中韓の2国間貿易額は2740億ドル(約32兆円)に達している。中韓FTAは中国がこれまでに締結した中で、貿易額が最大、総合レベルが最高のFTAとなる。「税目の90%、貿易額の85%」がゼロ関税となり、貨物貿易の自由化レベルは非常に高い。

王部長補佐によると、中韓FTAの交渉では以下の3つの「初めて」を実現したという。

(1)初めて参入前内国民待遇とネガティブリスト方式に基づいてサービス貿易・投資交渉を展開した。

(2)FTA交渉で初めて電子商取引と地方間の協力内容について言及された。

(3)金融サービス、電気通信サービスについて、初めて単独の章が設けられた。

韓国は中国にとって4番目の輸出先国だ。一方、韓国が輸出する貨物のうち、26%は中国市場で販売されている。王部長補佐は「中韓FTAにより、双方の融合と、より大きな市場の形成が促され、バリューチェーンが構築され、より効果的で明確な分業と、双方の利益のバランス化が実現し、双方の市場競争力が高まるだろう」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

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