中国「食の安全問題」は大きなビジネスチャンス=傘下日系企業が食品鮮度保つ画期的製品開発、中国で大人気―清華大系シンクタンク副総裁

八牧浩行    2014年12月25日(木) 7時38分

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中国清華大グループ「道紀忠華シンクタンク」の後藤錦隆・副総裁兼日本首席代表は多くの日本企業と様々な分野で、中国や日本でのビジネス展開を目的とした提携や出資等を推進している。生鮮食品の鮮度維持と保存に優れた電子製品は中国に輸出され好評という。写真は同製品。

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2014年12月、中国・清華大学が設立した「道紀忠華シンクタンク」の後藤錦隆・副総裁兼日本首席代表はインタビューに応じ、日中関係や産業協力などについて語った。「多くの日本企業と様々な分野で、日中両国でのビジネス展開を目的とした提携や出資等を推進している」と指摘。特に「食の安全はビジネスチャンスを生んでいる」と強調した。その上で、肉や魚、野菜など生鮮食品の鮮度維持と保存に優れた電子機器製品は「中国に輸出されており大人気」という。発言要旨は次の通り。

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道紀忠華シンクタンクは清華大学に属する清華ホールディングスが投資・設立した唯一のシンクタンク。中国科学院などの政策決定機関と密接な提携関係にあり、共同研究開発成果を多くの国内外のハイテク企業に提供している。2012年より本格的に活動を開始した。

日本企業の意見を聞いたところ、中国科学院的な機能も必要ながら、日本と中国を繋ぐビジネスを一緒に展開してくれるパートナーが欲しいとの話を多数いただいた。 そこで、日本企業の技術や事業モデルを中国市場でビジネス化することを目的とした「日中ビジネスパートナーズ株式会社」を2012年に設立。多くの日本企業と様々な分野で、中国や日本でのビジネス展開を目的とした提携や出資等を実現した。

その一つ、道紀忠華シンクタンクグループの「アグア商事」が製造する「DENBA」(鮮度保持電場装置)は肉や魚、野菜などの鮮度維持と保存に優れた効果を発揮。食の安全が社会問題化している中国に輸出し、「日本の優れた画期的技術」と好評を博している。この製品は(1)高額な急速冷凍装置がいらない、(2)細胞を破壊しない凍結を可能にした、(3)急速冷凍を必要としないためC02削減につながる(4)使用中の冷蔵庫を活用でき、月当たりの電気料金はわずか20円―などの利点がある。

このように、日本の中堅企業が開発した新製品が中国の大きな消費ニーズに合致して、日中間の産業交流がさらに進展するものと期待されている。(八牧浩行

後藤錦隆(ごとう・かねたか)氏

道紀忠華シンクタンク副総裁兼日本首席代表 、社会科学院日本研究所研究員、中国共産党吉林省委員会政策研究室顧問、瀋陽師範大学客員教授などを務める。

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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