<写真特集>中国人収蔵家のコレクション、日本に留学した文人に関する品も

呂厳   2017年7月1日(土) 15時10分

中国出身の呂厳が、天津市在住の収蔵家、車志強氏のコレクションをカメラに収めた。

中国出身の呂厳(リュー・イエン)が、天津市在住の収蔵家、車志強(チャー・ジーチアン)氏のコレクションをカメラに収めた。

元軍人という経歴を持つ車氏が収蔵を始めたのは30年余り前のこと。強烈な関心が生まれたのは退役後だという。現在、手元には書画が1000幅以上、書物が1万冊以上あり、さらに磁器、紫砂壺、金石篆刻などコレクションの対象は幅広い。車氏にとって収蔵物は目を楽しませるだけの物ではなく、それ以上に文化の由来や歴史への探求を意味する存在となっている。

そんな車氏が尊敬する偉人の中に日本留学経験を持つ弘一(本名:李叔同。リー・シュウトン)がいる。20世紀の中国の奇才とされる人物で、西洋の油絵、ピアノ、現代劇を国内にいち早くもたらした。書道に長けていたことでも知られている。車氏のコレクションの中には弘一に関する物が数多くあり、「李叔同画譜」出版の際には資金的な援助も行った。

「天津は文人を輩出してきた歴史、文化の名城。彼らが残した作品とわずかな言葉を通して、この街の文人たちの姿をわれわれの記憶に残したい」と車氏は語っている。(編集/野谷

●呂厳(リュー・イエン)

4人家族の長男として文化大革命終了直前の中国江蘇省に生まれる。大学卒業まで日本と全く縁のない生活を過ごす。23歳の時に急な事情で来日し、日本の大学院を出たあと、そのまま日本企業に就職。メインはコンサルティング業だが、さまざまな業者の中国事業展開のコーディネートも行っている。1年のうち半分は中国に滞在するほど、日本と中国を行き来している。興味は映画鑑賞。好きな日本映画は小津安二郎監督の『晩春』、今村昌平監督の『楢山節考』など。

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