<写真特集>東京・大手町、見知らぬ人のメッセージがそのイメージを変えた

任書剣   2022年2月27日(日) 11時0分

映像作家の任書剣が、東京・大手町で撮影した風景を写真と文章で紹介する。

映像作家の任書剣が、東京・大手町で撮影した風景を写真と文章で紹介する。

「日本のウォール街」とも称される東京・大手町は金融、情報通信、メディアなど各社のオフィスが集まっているエリアだ。自然を愛する私は高層ビルが建ち並ぶこの場所があまり好きではなかった。人情の希薄さを感じてしまうからだ。用事があって訪れる時もそそくさと立ち去っていたが、少し前に中国のSNSから自動的に送られてきたメッセージに目が止まった。恐らく私が東京にいるためだろう。それは大手町で働く中国籍の女性会社員が記したものだった。

そこにはこうつづられていた。「就職活動をしていた時期、高層ビルが林立する大手町でよく道に迷いました。ビルとビルの間を駆け回り、うまくいかない時はビルの下で長い間泣いたこともあります。最後にこの会社のオファーを手に入れた時は『まさか』というような喜びでした。この2年間、順調だったとは言えませんが、よろよろと前に進んでようやく少しの経験を得られました。今、離れるにあたってこれまでの努力がゼロになるような虚無感を覚えます。私の仕事を引き継ぐ後輩の何も分からない様子を見て、当初の自分を見ているような気分になりました。だから彼には『諦めないで。継続すればきっと報われる』とエールを送りました。さようなら、私の好きな上司の方々。私も皆さんのようなプロフェッショナルでしなやかな社会人になれるよう黙々と努力します」

私はこの女性のことを知らないが、女性のメッセージは私の大手町に対する見方を変えた。私はわざわざ大手町に出掛け、コーヒーを飲んでみた。(編集/野谷

●任書剣(にん・しょけん)

中国南京大学でマスメディアについて学ぶ。その後、日本に留学し2003年に日本映画学校を卒業。2008年には日本大学大学院で芸術学博士号を取得した。これまでドキュメンタリー映画を中心に制作し、2003年よりドキュメンタリー、報道などテレビ番組の制作に多く携わる。

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