如月隼人 2017年3月24日(金) 14時30分
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重慶日報によると、中国共産党重慶市委員会の孫政才書記は21日に行われた会議で、「薄熙来、王立軍の思想の遺毒」を徹底的に排除することを求めた。写真は中国共産党の宣伝の旗。
米国側は亡命を認めず、中国政府に対して王元局長の安全を確保することを条件に、身柄を引き渡した。結局は薄元書記と妻、王元局長全員がそれぞれ裁判にかけられいずれも有罪判決を言い渡された。薄元書記については、2012年に共産党中央政治局の周永康前常務委員(その後、汚職などを理由に無期懲役刑が確定)と組んで政権奪取を狙うクーデターを図ったとの説もある。
薄元書記は政治生命を絶たれたが、中国では現在も薄元書記への共感を持つ人がいる。その背景には政治や社会に対する不満がある。共産党中央としては薄元書記のように中央に対抗する発想や動きは絶対に許すことができない。したがって、薄元書記やその手法を支持する考え方は徹底的に排除する必要がある。そして孫書記が改めて「薄、王の思想の遺毒を徹底的に排除する」と強調したことは逆に、重慶市の共産党内部に薄元書記支持の考え方が残っていることを示している。
中国共産党重慶市委員会の孫政才書記は1963年生まれ。2006年12月に国務院農業部部長(農業相)に就任し、その後中国共産党吉林省委員会書記を経て12年11月からは同重慶市委員会書記。共産党内では07年に中央委員に選出され12年には中央政治局委員に選出された。今年(17年)秋の中国共産党全国代表大会で中央政治局常務委員に選出され中国の最高指導陣入りする可能性が高い人物の1人とされる。
孫書記にとっては、重慶市から「薄元書記への評価」を一掃できるかどうかが、自分の将来に直接かかわってくることになる。(3月23日寄稿)
■筆者プロフィール:如月隼人
日本では数学とその他の科学分野を勉強したが、何を考えたか北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。
1958年生まれ、東京出身。東京大学教養学部基礎科学科卒。日本では数学とその他の科学分野を勉強し、その後は北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。中国については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結局は得」が信条。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。 Facebookはこちら ※フォローの際はメッセージ付きでお願いいたします。 ブログはこちら
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