<コラム>日本のインバウンドを左右する大問題、「ガイド」の重要性認識を

秋澤 文芳    2017年6月2日(金) 18時20分

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お客様を案内するガイドさんの問題で今、再びあらたな議論が沸騰している。先般の閣議決定で「資格がなくても有償ガイドとして案内が可能となる」ことになったからだ。写真は訪日客。筆者撮影。

現在でも訪日旅行の課題は多々あるが、とりわけガイド問題やバスの安全対策等については今でも無法状態だと指摘する声が特に多い。観光立国を目指す国としても、人数だけは増加していても、肝心の旅行の中身・内容が低下していくようであれば、結果的には日本の評価も大きく下がる。本来であれば国内でのガイドに関する調査も早急に必要になってくる。

この問題については、「あらためて調査をする必要はない、調査をしても把握はできない」ということなのだろうか?(どこかで聞いたことのある話と似ているな、などと思う人もいるかも知れない)。

中国内でも2013年秋に、初めての総合的な「旅游法」が制定され、旅行会社・ガイド・地方政府を従来以上に厳しく取り締まることとし、旅行者保護を重視したものとなり、中国から出国する「出境旅游(海外旅行)」にも適用することとした。その結果ということでもないが「マナー」等に関しては幾分改善したようにも見える。残念ながら日本国内においても課題は大きく残っている。しかし、中国内でのガイドの養成については、つい先月、国家旅游局が中心となり、ガイドの研修や全国優秀ガイドの選定等も行いモチベーションは高まっているようだ。

今回、このような問題が持ち上がる度に日本国内でもさまざまな意見が寄せられている。当然だと思う。訪日インバウンドの主役は、なによりも「旅行者」がファーストだ。国や政府が富めば良いというものではない。日本各地において、少しでも想い出の残る旅を味わっていただきたいものだ。

豪華な施設での宿泊や食事のこと、美しい景勝地をデジカメに残せたこと、品質の良いモノを手に入れたこと等は確かに旅の想い出にはなるが、より心に残せることと言えば、旅先での少しばかりの地元民との触れあいや、ホテル内で、そして買い物の際に係員からかけられた心温まる一言に多くの人は感動するはずだ。

また、なによりも日本における想い出といえば、車中でのガイドさんの日本文化の紹介や心の触れ合いこそが最大の想い出となるはずだ。滞在日数が長ければ長いほど、その度合いは深まるものだ。旅行者にとって、二度目の旅も同じガイドさんや添乗員さんを指名して参加する人もいるほどだ。ガイドさんの役割は大きい。

今回の規制緩和による「ガイドに関する資格の問題」等に対しては、もう一つの何らかの歯止めと取り決めも必要になってくるのではなかろうか。

■筆者プロフィール:秋澤 文芳

東京(豊洲)在住。1973年千葉大学卒。日本旅行業協会を経て2010年より北京第二外国語学院大学旅游管理学部研究生として現在も在籍。工学院大孔子学院旅講師、東京都日中友好協会常務理事として交流促進。観光文化ツーリズム(株)代表として旅游企画・訪日インバウンドに取組む。

■筆者プロフィール:秋澤 文芳

東京(豊洲)在住。日本旅行業協会を経て2010年より北京第二外国語学院大学旅游科学学院研究生として現在も在籍。東京都日中友好協会副理事長・経済ビジネス委員会委員長。日中観光文化研究所、観光文化ツーリズム等の代表として旅游・訪日インバウンドやコンサル業務に取組む。

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