雪田 2018年5月8日(火) 19時0分
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先日、日本でショッキングなニュースが報じられた。東京の吉祥寺駅で中国人の男が口論になった65歳の日本人男性を走行中の電車に接触させ、頭部を骨折した男性が2日後に亡くなってしまったという事件。資料写真。
先日、日本でショッキングなニュースが報じられた。東京の吉祥寺駅で中国人の男が口論になった65歳の日本人男性を走行中の電車に接触させ、頭部を骨折した男性が2日後に亡くなってしまったという事件だ。この代強(ダイ・チアン)という名の38歳の中国人の男は傷害致死の罪で起訴される見通しという。
聞くところによると、トラブルの発端は代強容疑者の乗車マナーにあったようだ。電話で誰かと大音量の中国語で会話をしていたところを注意され、これが怒りに火を付けたという。最初はささいなトラブルだったが、最終的には一人が死亡、もう一人が殺人容疑者になるという悲劇へと発展してしまった。そして、この事件はとても分かりやすいものだが、報道後は中国人から日本の高齢者による「おせっかい」への嫌悪感や、中国人に対する「差別」を指摘する声が寄せられている。
こうした人々の典型的な言い分が、「外国人への不快感や若者に対する口出し。こんな日本の高齢者にはうんざり」というものだ。東京に住む女子留学生は「(口出しをした高齢者が)恐れを感じるくらい思い切りにらみつけたことがある。高齢者が黙り込むまで罵倒し続けたグループを見たこともある」などと話していた。この学生の言葉に基づくと、代強容疑者は差別に抵抗し、大声で中国語を話す自身の権利を守り、ひいては「愛国行為」を示したことになるのだろう。
私は中国人を差別する日本人がいることを知っているし、こうした人が近年増加傾向にあることも感じている。しかし、中国人による最近の日本人差別、蔑視といった風潮にわれわれが思いを寄せたことはあるだろうか。人の流れを見てみると、ここ数年だけでもさまざまな手段を講じて日本で生活しようとする中国人が数万人規模で増加している。彼らはなぜ、中国人が罵る日本に渡り、日本人に「差別」されながらの生活を送りたいと考えるのだろうか。彼らは中国で差別にあっていたのだろうか。
代強容疑者は調理師だというが、彼のような状況で調理師として働くためのビザを取得するには、きっと少なくない額の費用を支払ったことだろう。では、彼が支払った費用を受け取った業者や勤務先の飲食店は、彼に日本語学習や日本社会を理解する機会を与えたのだろうか。
日本社会は自制することを重視し、他人に迷惑をかけること、周囲の人への影響を気にする社会だ。公共スペースで電話に出る際は口元を手で覆い、二言三言話して電話を切るか、他人に迷惑がかからない場所に移動してから会話を始める。電車内での大声は例え日本語の会話でもにらまれるだろうし、日中関係がうまくいっていないために中国語に反感を抱く人だっているだろう。
私を含め、日本に長く暮らす中国人は電車や店で静かにすることに慣れていて、傍若無人に振る舞う同胞には嫌悪感を覚えてしまう。先日行ったスーパーで、30代くらいの中国人男性が電話の相手に向かって大きな声で延々しゃべり続ける光景を目撃したのだが、店内を行ったり来たりしながら話していたのはどれもくだらない話ばかりだった。私が送る強い視線にも気付かない様子で、私は思わずかごに入れていたタマネギを投げつけてやりたい衝動に駆られてしまった。もし、こうしたマナー違反に対する叱責を「中国人差別」という話にすり替える人がいるなら、その人の身勝手さや自制心のなさこそが軽視の対象となるはずだ。
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