木口 政樹 2019年1月11日(金) 18時40分
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韓国のNHKにあたるKBSの時事番組「チャン」をはじめ、今韓国では北朝鮮を扱うニュースや時事番組が多い。写真は米朝に関する韓国の報道。
韓国のNHKにあたるKBSの時事番組「チャン」をはじめ、今韓国では北朝鮮を扱うニュースや時事番組が多い。中心テーマは、米朝関係が膠着(こうちゃく)状態になっているけれど、その原因と解決策を探ろうとするもの。いくつかの番組やネットニュースを見て筆者が感じた点について書いてみたい。ソースの多くは「チャン」である。
番組ではまず12月31日の大晦日の風景を写す。ジャンマダンといわれる市場には人が大勢いる。お正月の買い物をする人々だ。北朝鮮は新正月も大きく祝うようだ。(韓国とはちがっている。韓国は旧正月だけ大きく祝う)。
1月1日はジャンマダンには人があまりいない。野菜や肉などの商いをする人はほとんどおらず、1日前とちがって風船売りが何人もいて子どもたちに風船を売っている。なんの変哲もないただのゴムの風船だ。北朝鮮では凧などと同様、子どもたちの正月の楽しみの一つという。子どもたちが風船を手にはしゃぎまわる様子は、まるでニンテンドースイッチを手にした子どものようだ。
1月1日の9時に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年の辞がはじまった。去年までは演説台の前に立ち厳しい表情でしゃべりまくったが、今年は、書斎のような場所でソファーに座りリラックスした感じで柔らかい口調でしゃべるというコンセプトだ。背景には金日成と金正日の写真とともに書架。平和への道を歩んでいこうとする姿勢を象徴的に示しているといった格好だ。
北朝鮮の一般人のインタビューがあった(顔は映さず声も変えてある)。原稿を見ないでずっとしゃべっているのはすごいという人がいるかと思うと、座っているのは脚が痛いからだという人もいる。「ソファーも書架もテーブルも全部舶来物ばっかり。俺たちには自力更生などと叫びながら自分は舶来物かよ」といった愚痴も聞かれる。
金正恩氏の演説は、米国の立場がかなり変化してきている点にウエイトを置いていた。米国が本当に約束を守るなら米朝関係は良き方向に行くが、米が圧迫だけを続ける場合、北は独自の道を模索する以外にないという警告性のメッセージがベースとなっていた。
北の人々の声の中には、「2018年6月、トランプ米大統領と会ったときには全部すんなりうまく行くと思ったんだけど、今になっても何にも変わらない。もうなんにも期待しないよ。米国は信じられない。トランプは詐欺師だ」という声もあった。金正恩に対する批判よりはトランプ氏に対する批判のほうが断然多いようだ。
北としては去年、シンガポール会談の直後、核施設のいくつかを爆破し、米軍の遺骨を代価なしで返してやった。50体もの遺骨を代価なしで返してやった。北としてはやることはやったという気持ちだ。
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