<コラム>満足度で日本が韓国に負けることも、あなたの知らないアジアンタイヤの恐るべき実力

加藤久美子    2018年6月22日(金) 19時50分

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韓国のネクセンやハンコック、台湾のナンカンやフェデラルに代表されるアジアンタイヤが、「十数年前とは全く別物に感じるくらい良くなっているよ!」と車好きの友人から教えられた。写真は筆者提供。

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韓国のネクセンやハンコック、台湾のナンカンやフェデラルに代表されるアジアンタイヤが、「十数年前とは全く別物に感じるくらい良くなっているよ!」と車好きの友人から教えられたのだが、やはり私の中には、「えー?ほんと?アジアンタイヤって大丈夫なの?イメージがねえ」と、多くの日本人が思うであろうことと同じ感想を抱いていた。

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しかし、昨年2017年11月、米国で50年前から開催されている世界最大の自動車アフターマーケット部用品の見本市「SEMA SHOW」でタイヤメーカーの関係者複数に話を聞いてから、アジアンタイヤのイメージがだいぶん変わってきた。

そこで話を聞かせてくれたのは、スポーツ志向のタイヤを中心に国内で企画、開発、中国で製造し、アメリカや日本で販売している日本のタイヤメーカーの幹部A氏。SEMA SHOWにも大きなブースを出展し、2017年から日本国内での販売を本格的に開始した。同社のタイヤは超ハイグリップタイヤでありながら価格が同性能の国産有名ブランドタイヤの半額に近いことから、ドリフトをはじめとするモータースポーツを楽しむ若者たちを中心に支持率急上昇しているブランドなのである。有名レーサーの助言を得て企画されるタイヤもあり、信頼度も抜群。競技の上位入賞実績も多々ある。

そのA氏から「アメリカで販売されている車の6割はアジアンタイヤを装着してますよ」ということを聞き、心底驚いたのだ。アジアンタイヤを色々と取材してみようと思ったきっかけにもなった。

●ポルシェ、メルセデス、VW…欧米ブランドの車の多くに、アジアンタイヤが純正装着されている

もう一人、かつて日本のタイヤメーカーにいた技術者で、現在、アジアンタイヤメーカーの開発を担当しているB氏にも会場で話を聞くことができた。「アジアンタイヤにマイナスイメージが強い日本とは違い、アメリカは韓国や台湾の製品にネガティブなイメージが少ないのです。米国車はもちろん、欧州メーカーの新車装着タイヤにも多数採用されており、欧米のユーザーも抵抗なく受け入れていますし、満足度調査でも上位に来ていますよ。アジアンタイヤメーカーはどこも、ミシュランやピレリ、コンチネンタル、ブリヂストン、ヨコハマなど世界のトップメーカーと10-20年という長い期間にわたって技術提携(下請け含む)を結んでおり、技術力、生産体制、品質など世界のトップメーカーに勝るとも劣らないものを持っていますからね」とおっしゃる。

アフターマーケットでも、アジアンタイヤは品質が良いのに安い。アメリカのユーザーはメルセデス・ベンツがアジアンタイヤを履いていてもほとんど気にも留めない。日本のように「ベンツにアジアンタイヤ?ありえない!」といった偏見がない。ちなみに、過去国産車にもダイハツのタントやムーヴなどの一部の車種にハンコック製タイヤが装着されてきた経緯があるが、正直ユーザーからの評判は今一つだった模様。

その後、取材を進めていくうちに、米国J.D.パワー社の顧客満足度調査に行き当たった。「米国パッセンジャーカーに新車装着されているタイヤの2年目の満足度調査」である。結果を見て驚いた、というより頭の中は???でいっぱいである。

●米国J.D.パワーの新車装着タイヤ満足度では、アジアンタイヤが上位に

1位 ミシュラン

2位 ピレリ

3位 グッドイヤー

4位 ネクセン(韓国)

5位 ハンコック(韓国)

6位 コンチネンタル

7位 クムホ(韓国)

8位 ブリヂストン(日本)

9位 ヨコハマ(日本)

10位 トーヨー(日本)

11位 ダンロップ(日本)

12位 ファイヤストン

(出典:J.D.パワー2017年 米国乗用車新車装着タイヤ顧客満足度調査)

こちらは、2017年に米国J.D.パワー社がアメリカの自動車ユーザーに対して行った「乗用車新車装着タイヤ(2年目)顧客満足度調査」の結果である。乗り心地、タイヤの摩耗具合、ハンドリングなどの項目で調査が行われている。米国では新車装着、リプレイス(交換用)含めて6割以上がアジアンタイヤという非常にポピュラーな存在で、ブランドよりも品質を重視するアメリカのユーザーからアジアンタイヤは高く評価されていることがわかる。それにしてもかなり衝撃的な結果だ。日本メーカーはトップのBSでも8位、韓国メーカーの方が軒並み上位にいる。ちなみに、この調査は新車装着「2年目」で行っているところがポイント。

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