ゆーちゃん(渋谷汪子) 2018年10月2日(火) 22時50分
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中国の「網紅」と呼ばれる人たちをご存知だろうか。今回は、中国版ツイッター・微博で50万人を超えるフォロワーを有する「在日本小社長(日本に住む若い社長)」さんに色々と話をお伺いした。写真は在日本小社長さん。筆者提供。
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筆者:日本人の海外留学生でもよくありがちなのが、現地の日本料理店にばかり行ったり、日本人留学生だけでかたまりがちになるケース。結果、現地に数年いても全然語学が上達しなかったという声もよく聞こえてきたりしますよね。小社長は18歳で単身日本に来て、語学上達のために「現地の言葉で、現地の人とコミュニケーションを取る」ことを徹底した。きっとすごくしっかりした18歳だったんだろうなという印象を持ちました。ちなみに、SNSのフォロワーの数はどれくらいいるんですか?
小社長:微博は51万人前後。微信は2万人前後います(2018年9月現在)。
筆者:小社長がSNSを始めようと思ったキッカケは何だったのですか?
小社長:私のある友人が、たまたま微博中国本社のライブ動画部門の担当だったんです。その関係もあり、フォロワーが増えるコツや方法などを色々とアドバイスしてもらっているうちに、だんだん自分でもフォロワーの増やし方が分かってきたんです。それで、少し本腰を入れてやってみようと思いました。
筆者:中国のSNSはコツさえわかればすぐにファンが増えていくほど簡単なものなんですか?
小社長:いいえ、必ずしもそうとは言えません。中国のネットで本気で有名になりたいのであれば、個人の力では限界があります。文章、撮影、編集など、チームを組んで取り組まないと、クオリティの高いコンテンツは作れないからです。
筆者:チャイナドリームはそんなに甘くないということですね。
小社長:あとは「網紅」をビジネスとして捉える場合、「何に対して特化していくか?」という面もあると思います。
筆者:小社長の場合は「日本」ということですね。
小社長:そうです。私のフォロワーの大多数は18~30歳の間の学生や社会人たちです。現在女性が61%を占めていますが、いずれは81%にまで引き上げたいと思っています。
私のフォロワーは大きく分けると3つの特徴があります。
(1)中国国内の大学の日本語学科に在籍していて、日本のドラマ・映画・アニメなどに興味を持っている。
(2)日本の商品を購入したいと思っている、または購入したことがある。
(3)日本に旅行したいと思っている。
共通しているのは、いずれも「日本」というジャンルに何らかの興味を持っている人たちで、私は定期的にフォロワーのニーズにマッチした商品の紹介などを行っているわけです。
筆者:なるほど、少し「網紅」ビジネスが理解出来てきたような気がします。ちなみに、目下、「訪日中国人向けのインバウンドビジネス」が注目されていますが、小社長はこれから先、どんなジャンルの需要が高まっていくと思いますか?
小社長:うーん、色々あると思いますけど、「美容整形」の需要がこれから高まっていくと思います。中国では今、韓国で美容整形手術に失敗した中国人観光客の事例が色々と取りざたされていて、失敗のリスクが低く、仕上がりが自然な日本の美容整形に対する注目が高まっています。
筆者:最後に、今後はどんな日中両国の関係を期待しますか?
小社長:アジアの二大国、中国と日本は両国の経済発展のために、しっかりと協力関係を築いていくべきだと思います。日中友好はすごく大きなテーマだと思います。日本の場合、メディアの影響を受けて、中国人に対して必要以上に偏見を持っている人も少なくないですが、実際に面と向かって色々と話し合うことで、「誤解していたこともあった」と私の話を分かってくれる人も多いです。ですから、これまで以上に民間の交流が必要になるのではないかと感じています。
近頃微博を見ていると、多くの「網紅」が自身のフォロワーに向けて、日本の観光地だったり、食文化だったり、商品だったり、日本のさまざまな魅力をPRしている。たった1つの投稿が数百人、数千人、数万人にシェアされ、いずれは日中関係を変えるほどの大きな力になっていく。そう考えると、「網紅」は日中友好を支える縁の下の力持ちなのかもしれない。
■筆者プロフィール:ゆーちゃん(渋谷汪子)
大手商社総合職だった父親、国際線CAだった母親に、グローバル人材になるための教育を受けるが、まったくと言ってよいほど勉強に興味が持てず落ちこぼれる。99年より、大好きだった三国志に触発され中国留学を決意。数年の北京生活を経て、中国という国の魅力にドハマりする。自身が代表を勤める「一般社団法人Japanese & Mandarin Union-JMU」は、首都圏最大の中国語コミュニティの1つとなっている。Facebookはこちら※フォローはメッセージ付きで。JMU日中交流会パンダクラブ
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