山口 康一郎 2017年5月22日(月) 15時30分
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先日、中国南西部、雲南省の省都昆明市にある日本商工会の例会に参加しました。資料写真。
話を戻しますと、そういう流れもあり、ぜひ出席したかった日本商工会の例会だったわけです。そういう意味で、もしかしたら、日本に住んでいる日本人の皆さんたちより、国に直接お世話になる機会が多いと思うんです。
さらに生活して生きていこうとなると、ましてや、この地でビジネスと言うか、商売から始めて、暮らしていこうとなると、取引相手とか、お客様とかのお付き合いとは、全く違う繋がりがあります。たぶん、日本にいる方々にとっては「そういう事を考えたこともないし、その状況にない」と思われるではないでしょうか。
雲南日本商工会、ホントに参加してよかったと思いました。そして、皆さん、さすが日本人だなあ、と嬉しくなりました。自己紹介をする時に不覚にも胸が熱くなり、十数年ぶりに人前で、目頭まで来てしまいましたが、それぐらい「日本人は凄い」と思いました。完璧だとは言いませんし、完璧を求めたりするつもりも必要もありません。ただ、一言でいうと“まとも”なんです。
“まとも”に触れ、“まとも”を感じたら、思わず、久方、周囲になかった当たり前がとても嬉しく思えて、「来て良かったなあ」とウルウル来ちゃったわけです。これぐらいの事でこうなるとは、自分自身思っていませんでした。“まとも”ってだけで泣けるなんてね。
日本を離れて、特に中国中央から離れた雲南に住む日本商工会の活動に触れて、皆さん、頑張っているなあと感じました。同時に日本という国家が日本人を守ってくれているというのも改めて実感しました。
今年度初めての例会ということで前年度の会計報告から始まり、粛々と進行しました。雲南日本商工会は、2006年設立で今年で活動11年ですが、在留邦人の相互扶助と親睦を目的とした中国西南地区の日本人コミュニティの中核を担っています。
いろいろな国を訪問した際に その地の日本人コミュニティにお邪魔しましたが、規模は小規模でも昆明のまとまりの良い日本人会でした。海外の日本人コミュニティの活動なんて日本に住む皆さんが知ることは少ないでしょうから、その1つを紹介したいと思います。
中国南西地区の日本から遠く離れた遠くの雲南省にも日本人たちがコミュニティを作って生きています。日本人が作った日本人のための商工会です。会員は2017年4月現在で法人会員8社、事業主会員2人、個人会員14人の団体で、少ない人数ながら、まとまりのいいコミュニティです。
2010年頃の話です。「小学校に上がるか、上がらないかぐらいの年の頃の日本人の子どもたちの教育をどうするのか?」が商工会内で話に出て、日本補習授業校をつくったらどうかという話になったようです。
「日本人が自分の都合で勝手に雲南まで来て子どもを作ったのなら、『自己責任』で子どもを育てるべきだ。だから日本補習授業校は不要だ」という主張もあったようです。しかし、ある教師が、「国境を超えても、子どもは宝です」と発言され、日本人の親たちと商工会参加企業会員から賛同をうけ、2011年3月に雲南日本補習授業校が出来たという事です。
そして、いつの間にか中学生や高校生になる子どもも出てきました。現在、週に1度の雲南日本補習授業校ですが、幼い時に日本語をほとんど話せなかった日本人の子どもも補習校による授業で日本語で交流できるようになり、日本にいるおじいちゃんやおばあちゃんにかわいがられることで、ますます日本語に磨きをかけるという好循環ができたという話を聞き、「なるほどなあ」と、公的教育の必要性に納得しました。
それまで、中国の学校に入校しても、反日教育をうけ「なぜ、日本は悪いことをしたの?僕は本当に悪いことをした子どもなの?」「僕は日本人なの?それとも中国人なの?」と悩んだり、問いかける子どももいたようです。
そういう彼らの屈折も、日本人の子どもたち同士で交流する事で、もっと日本の文化を知りたい、勉強したい気持ちになり、仲間を通じて「日本人とは何か?」を学んでいったようです。
日本に遠く離れた雲南では知り得ない、花見、ひな祭り、端午の節句、七夕、日本のお月見などを皆と楽しみ経験して日本的な情緒も育成されている、と仰ってました。
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