日本の職人精神は中国でも根付く、日本で長寿企業が多い理由とは

月刊中国ニュース    2017年8月6日(日) 15時10分

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ファミリービジネス・ファミリー企業という言葉をご存知だろうか。世界的に見ると、100年を超える老舗、長寿企業の約4割が日本に集中しているそうだ。写真は新宿。

ファミリービジネス・ファミリー企業という言葉をご存知だろうか。世界的に見ると、100年を超える老舗、長寿企業の約4割が日本に集中しているそうだ。ファミリービジネス研究の第一人者であり、国内外で研究成果を伝えている後藤俊夫氏が研究の成果、中国との関係について語ってくれた。

Q.後藤先生がファミリー企業の研究を始めるきっかけは何だったのでしょうか。

A.大学に移ったときの研究テーマはファミリー企業ではなく、「企業の寿命」・「長寿企業」でした。当時そのテーマを研究している人は誰もおらず、まず日本で100年以上続いている企業の調査を始め、2万5000ほどあることが分かりました。比較するため海外の長寿企業を研究し始め、2004年にデンマークのコペンハーゲンで開催されたファミリービジネスの学会で初めて発表しました。長寿企業の大半がファミリー企業であると気づき、海外ではファミリー企業の研究がさかんだと知り、ファミリー企業の理論を用いて研究するようになりました。ファミリー企業は、一般企業に比べて業績が良い点も明らかになっています。

Q.そもそもファミリー企業とはどのようなものなのでしょうか。

A.海外では「創業者一族の影響下にある企業」をファミリービジネス、ファミリー企業と呼ぶのが一般的です。ここでは「創業者一族が2名以上、株主または役員として関与している企業」をファミリー企業と定義しておきます。ファミリー企業は日本にある企業全ての97%、代表的な大企業で構成される株式上場企業の中でも51%を占めています。

一方、100年企業は国内で現時点では2万6千社以上の存在を確認していますが、実際には6万はあると考えています。一般企業と異なる点は、創業者一族の存在感と影響力が強いことや超長期的経営などで、地域的には100年以上では東京都、200年以上は京都府が一番多いです。業種別では食品、料理店、旅館が54%で半分以上を占めています。また近代的工業は明治維新以降に誕生しますが、江戸時代に創業して金属加工・電機などに変身して続いているところも少なくありません。

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